タイトルにある
「芯と面」
大工はこの二つをうまく使い寸法を測ります。
建築図面のほとんどは芯からの寸法となっています。
というのも木や柱には厚みや太さがあり
芯々で基準を決める方が間違いが少ないからです。
最初はこれを理解するのがなかなか難しい
見習大工の橋本君も頭から煙が出ていました(^_^;)
大工には「割り付け」という作業があります
下地を組む時、格子の割り付け、 屋根桟(たるき)、外壁下地
など至る所で出てきます。
例を基に考えてみましょう。
DIY好きの方は必見です(^▽^)/
写真ー①は横から見た図です
板(長さ1800mm)の 両サイドに桟(30mm)を取り付けたもの
この間を3等分して桟と桟の隙間が均等になるように、
桟を2本取付けたいとします。 写真ー②
一般の人は桟と桟の間の寸法を測り3等分します。 写真―③
継に桟を配置するのですがここで悩みがでてきます。
付けた印の右と左どちらに桟を配置すればいいのだろう?? 写真―④
勘の良い人は 印と桟の中心を合わすと均等になるやろ!
と思うのですが、実はこれも間違い 写真―⑤
3等分した寸法をXとした時
両サイド(①と③)の隙間は
X-15ミリ (桟の半分)
真ん中(②)の隙間は
X-15ミリー15ミリ (桟の半分2本分=桟一本分)
となり、真ん中の隙間だけ狭くなってしまいます。 写真―⑥
何でやね~ん( ̄▽ ̄;)となりますが
正解の考え方はこちら
最初に測った桟の内々が間違いで
桟の芯と芯の距離を測るのが正解なのです 写真-⑦
先ほどの計算に当てはめると
全て(①②③)の隙間が X-15-15 となり均等になります 写真―⑧
①桟の中心に印をつけ ②全長を測る(結構測りにくい)
③等分に割り付けして、印をつける
④取付ける桟の中心に印をつける
⑤印に合わせて取付ける
①や④の芯を計算する手数が増えてしまいます。
④が数十本になると大変な作業になります( ̄▽ ̄;)
そこで大工ならどう測るかなんですが
イメージとしては
芯々の基準線を15mm寄せる感じで考えると
凄くシンプルになりませんか(^▽^) 写真―⑨
桟の側面を面(つら)と言います
左端の桟の左側の面から、右端の桟の左側の面を測り
3等分して印をつけ、付けた印に
取り付ける桟の左側の面を合わせると
綺麗に等分された割り付けができます。
①桟に引掛けて測る
②割り付けして印をつける
③印に合わせ桟の面を合わせる
の3工程で出来るわけです、
ただ、精度を要求される仕事の場合は
やっぱり芯からの計算で行うのが基本です。
「割り付け」は大工にとっては常識なのですが
一般の方にとっては少し難しい内容かもしれませんね(^_^;)
デッキなどで隙間を空けて床板を取り付ける場合など
DIYのお役に立てばうれしいです。
ちなみに、数学得意な方は
全長を L
桟の厚み X
隙間を Y
とすれば 今回の例の場合 L=4X+3Y と式ができますね 数値を代入すると 1800=4*30+3Y
1800=120+3Y
1800-120=3Y
3Y=1680
Y=560
と計算してもOKです(^▽^)/
Comments